大勢で一斉に机や椅子を移動させホウキで床を掃く学校清掃のやり方は、病原ホコリを大量に舞い上がらせて、生徒たちがそれを吸い込む危険性をはらんでおり、「病を防ぐ掃除」という観点からは間違ったものと言わざるを得ません。
学校の環境衛生は、「学校保健安全法」という法律で義務づけられており、学校環境衛生管理マニュアルによると、「清潔とは、(中略)生物や化学物質による汚染が見られず、ごみ等その場に不用なものがない状態を指す」と定義されています。
にもかかわらず実際の清掃では、それがあまりにも無視されているように感じます。
この矛盾の原因は実は正しい掃除方法を誰も知らず誰も教えることができないからではないでしょうか?
そしてさらなる問題は、免疫力が衰えたお年寄りが多く集まる介護施設での清掃方法です。
残念ながら、学校と同じ現実がここにもあります。
正しい清掃方法を学べなかった子どもたちが、いままさに健康被害にさらされているのはもちろんのこと、将来、介護の現場に立つこともあるでしょう。そのとき彼らは、果たして正しい掃除を行うことができるのでしょうか?
答えはNOです。
この負の連鎖を断ち切らないことには、学校や介護施設が感染症に脅かされ続ける未来を変えることはできません。