掃除をするとき、洗剤は汚れを化学反応で分解させ、物理的な力でこすり落とします。
ホコリは気流や引力、静電気、湿度など、さまざまな物理条件に左右されて、空気中を漂い、ある一定の場所に蓄積されていくので、その場所を重点的に掃除します。
私は30年以上、亀田総合病院をはじめ、さまざまな医療現場で環境衛生について指導してきました。
その際にまず行うのは、病室のエアコンと換気扇の位置を確認して、風とホコリが流れる道筋を割り出すことです。
そして、患者さんや看護師さんの動線を考えながら、ホコリの多い箇所やカビの生えやすい箇所を推測していきます。そうすることで、どこを重点的に掃除すればよいかがわかり、効率性と清潔さを両立させることができます。
これは、家庭のお掃除でもまったく一緒です。
住まいと私たちの体は、同じ空気で常につながっています。外の環境がよければ私たちの体の内側の環境もよくなり、そのまた逆もしかりです。
これまでやってきた掃除を見直し、これからは科学的根拠に基づいたメソッドで、健康に直結する掃除習慣を新しく身につけていくのがスタンダードな時代になっていくと私は思います。